私たちの酒造り
貴を造るスタッフ
私たちの酒造り
貴を造るスタッフ 1
阿瀬川 亮
2015年入社
永山本家酒造場に入る前は乳業メーカーに勤務し、北海道でチーズを作っていました。全国転勤のある会社でしたが、地元の宇部に戻りたいと考え、Uターンで弊社に入社しました。入社のきっかけはやはり食に携わることが好きだったことと、料理専門誌の日本酒特集などを読んで日本酒に興味を持っており、チーズと酒は発酵つながりということでシンパシーを感じたという部分がありました。
担当の仕事は、製造の取りまとめになります。今でこそ現場マネージャーという役割を担っていますが、酒造りの工程を理解するまでには3年近くかかりました。前職で食品製造の経験はあったのですが、酒造りは機械化されている部分と人の手の感覚を大切にする部分とのバランスがとても繊細で一筋縄ではいきません。作業自体は単純なものが多いからこそ、その一つ一つの動きにどういう意味があるのかを深く知ることが重要だし、そういった部分が日本酒造りの奥深さだと感じています。
一口、また一口と。
味わいが深くなってきます。
「貴」は、飛び抜けた華やかさこそないけれど、気がついたら一口、また一口とつい杯が進んでしまう酒ですね。「癒しと米味」をテーマに米の旨みをしっかり感じられる酒を目指しています。
米の粒を意識し、
菌を生かすように
攪拌していきます。
酒造りというと、大きなタンクに入った醪を力強く攪拌するというイメージがあると思いますが、「貴」の場合は仕込みが終わり発酵中はできるだけ混ぜないことを心がけています。混ぜることで米が動き潰れてしまうのを避けるためです。米は潰さずに麹菌や酵母の力で溶かす方が、より旨みが生まれるんです。また、無理に味を出そうとすると雑味も出てしまう、かといって発酵が進まないとアルコール度数が上がらないという問題が出てくるなど、細やかなさじ加減が必要とされる作業が続きます。これら酒造りの中核を担う部分は杜氏である社長の仕事になり、私はひたすら勉強をさせてもらっている毎日です。
酒造りに関してもまだまだ学ぶことは多いのですが、これからは米作りにも力を注いでいけたらと思っています。近隣の山田錦生産の中核になることが一つの目標ですね。近所の農家さんの高齢化が進む中、農地を託されることが増えてきていることもあり、皆さんが長い間大切にしてきた田んぼを残すことも自分達に課せられた任務だと感じています。