TAKA TIMES 29 /22_2

01
2022年が
明けました。

本年も永山本家酒造場並びに「貴」「OTOKOYAMA」をどうぞよろしくお願いいたします。

2020年からの新型コロナ感染症の影響で2021年はほとんど経済活動ができず、酒蔵としては困難を極める年となりました。酒販店さまや飲食店さま、お酒を扱われる方々も同様に苦しい一年を送られましたこと、心よりお見舞い申し上げます。
2022年はワクチンや経口薬によって春ごろには以前に近い環境が整い、お花見が楽しめる年になるのではないかと期待しています。皆さまにとって新しい年が活気ある年になりますことをお祈りいたします。

自問自答の2021年。

私たちにとって2021年は「自問自答」の年になりました。
作り手の意識の中には瓶詰めの時点で最高の品質であることを求めてしまう傾向があります。しかし一昨年、昨年と新型コロナの煽りを受け、造ったお酒の出荷ができずに在庫が溜まっていく様子を目にした時、日本酒の「本当の飲み頃」はいつなのかを今までしっかりと考えてきたのだろうかと、自らに問わずにはいられませんでした。例え順調な流通がされていたとしても、お客さまの手元に届くまでの時間を踏まえれば、「飲み頃」の設定を見直す事はなおさらです。
1年後でも2年後でも美味しく飲んでいただけるための味の設計とは。私たちが出した一つの回答は酸味の輪郭によって、味の五角形(甘・酸・苦・渋・旨味)がバランスよくレイヤーされる酒造り、熟成したときに文字通り「たがが締まる」をイメージした酒造りへのチャレンジでした。

日本酒における
五味の相関関係

甘・酸・苦・渋・旨味といった五味の中で最も感じやすいのは「甘さ」です。日本酒の特徴として熟成の過程でアルコール由来の甘みが突出する点があります。また熟成による「メイラード反応(香ばしさを生みカラメル化する)」を止めることができずに所謂甘さが伸びる現象が起こります。この特性を抑制するカウンターが「苦味」と「酸」になるのですが、日本酒の中の「苦味」はイコール優良ではない米を使用することに繋がるのでこれを肯定することには抵抗がありました。

甘みと酸、そして旨み

「酸」も同様に敬遠する人が多いのですが、「旨味」をしっかりと加え調和させることで、全体的にバランスの取れた5角形が形成できるという考えに私たちは至りました。それが昨年から22年初頭に掛けての永山本家酒造場の酒造りでした。

顔の見える
農家さんとの繋がり

私たちが昨年最もこだわってきたことの一つが「顔の見える農家の米で酒造りをする」ことでした。農薬や化学肥料に頼らずに米作りをすることは簡単なことではありませんが、そのリスクを超えて良質な酒米を作ってくださる農家さんは掛けがいのないパートナーです。
そして、より高い原料トレースを目指すのは、なんとなく選んでもらうのではなく、「貴」だから選んでもらえるためのより多くのファクターになると私たちは考えています。
「貴」を通じて生産者の方にも興味を持っていただけたら、こんなに幸せなことはないですね。

時が経つほど美味しくなる
日本酒造りを目指して

2022年2月現在では、およそ50%が顔の見える農家さんの酒米を使用しています。
今後の一つの目標として数年後でも美味しさを楽しめる酒に育てていきたいと考えています。ワインほどの熟成を日本酒に求めているわけではありませんが、例えば「貴醸酒」であれば10年といったロングエイジングも不可能ではないと考えています。
2022年は樽でしっかりと熟成させる酒造りにもチャレンジしていきます。洋酒のようにコレクションして楽しんでいただける日本酒造りを目指して、ストーリーの見える日本酒をお届けしていきたいと思っています。

02
ありがとう
イグアルコーヒー


2020年8月からテナントとして入って頂いた『igual coffee(イグアルコーヒー)』
オーナーの宮本奈穂美さんがご懐妊されこの度、1月末をもちまして弊社店舗として卒業の運びとなりました。
宮本さんの雰囲気、焙煎するコーヒーに魅了され二俣瀬、酒蔵に多くのお客様に足をお運び頂くきっかけとなりました。
今までお酒の販売、酒蔵として営業をしていては見ることのできない光景を目の当たりにし、カフェを通して私達もその中で色々な気づきがありとても勉強になりました。コロナ禍に思い切って弊社店舗として営業をご決断くださった宮本さんには感謝しかありません。

03
永山本家酒造場に
新しいスタッフが加わりました

今後のカフェの営業につきまして宮本さんのもとで働いていた伊藤君が弊社の社員として加わり、カフェ事業部が始動します。
山口県山陽小野田市出身でコーヒーが好きで家では自ら焙煎もしている伊藤君。昨年関東から山口県に戻ってきたばかりでまだまだ勉強中ではありますが、
伊藤君の人柄に好感を持ち、カフェ部の立ち上げをお願いしました。
お菓子作りにも積極的な伊藤君、もちろんコーヒーはしっかり美味しいものをご用意して、酒蔵のカフェらしいメニューも模索中です。

2月、3月は練習期間として、平日に営業も考えております。準備が整い次第、4月にはリニューアルオープン予定です。
詳しいお知らせは弊社インスタグラム@taka_domaineにて発信致します。春に皆様のお越しをお待ちしております。